M2の西川航平君が、関西潤滑懇談会7月例会ポスター発表会にて最優秀ポスター賞を受賞しました。

M2の西川航平君が、2018年7月20日(金)に関西大学で開催された関西潤滑懇談会7月例会ポスター発表会にて以下の研究報告を行い、最優秀ポスター賞を受賞しました。

 

発表者:西川航平, 八木下和宏, 秋山博俊, 鷲津仁志

題目:防錆剤による金属表面への化学吸着と物理吸着の同時解析

 

概要:防錆剤が金属表面をどのように保護するかについて,多くの研究が行われてきたが,その分子機構の詳細は不明であった.ベンゾトリアゾール (BTA) は代表的な銅腐食防止添加剤であるが,これまで銅表面に吸着する際に,窒素原子を金属面と接するように吸着するのか,平坦な形状の分子面を金属面に平行に吸着するのか,といった一分子吸着に関する研究が行われてきた.我々は,原子間の電荷移動とともに,多数の分子集団のダイナミクスを扱える分子動力学法であるReaxFF を用いて,金属銅 Cu および酸化銅(I) Cu2O の両者を有するハイブリッドな固体表面に対する BTA 分子集団の吸着挙動のシミュレーションを行った.真空中にランダムに配置した BTA 分子 60 分子の吸着ダイナミクスを行ったところ,極初期の吸着においては両者への挙動の違いはないものの,数 10 ps の後に,Cu2O 領域には主として電荷の移動を伴わない物理吸着が生じる一方,Cu領域には電荷の移動を伴う化学吸着が生じること,この化学吸着の結果,BTA 分子の分極率が増加し,遊離層からの吸着がより促進されること,また Cu2O 領域から Cu 領域への表面拡散によってCu 領域に吸着した分子集団がより成長することが示された.これらの効果により,オイル中に添加した僅かな量の添加剤 (BTA) 分子が,酸化銅ではなく銅新生面を保護する機構の根幹を明らかにすることができた.